間取り設計 トイレの位置とさまざまな条件の検討
もくじ
はじめに
様々な条件
必要寸法
窓の効果
24時間換気について
介護のしやすさ
風水・方位
まとめ
はじめに
間取り検討の時、案外、トイレの位置が決まらない事があります。
木造住宅の場合は特に、最大スパンが決まっているため、トイレは中途半端な寸法なのです。
無窓空間で配置するのならば、比較的簡単なのですが、窓を設置するとなると、難易度があがります。
そのようなトイレの間取り検討をどのようにすればよいか、何に注意をすれば良いか、考えていきます。
様々な条件
間取りでトイレを配置する時に、様々な条件があります。
・臭いの拡散の防止
換気の流れをコントロールする事で、臭いが室内に流れないようにします。
特に、居室に直接トイレを設ける場合、注意が必要です。
・換気の方法
換気扇で換気が基本となりますが、換気用に窓を設ける方が良いと思います。
・トイレへの動線の検討
トイレは必ず行く場所なので、家で重要な部屋から行きやすいように配置する事が多いです。
来客が多い家では、来客が使う事も考えます。
各々の間取りで配置の位置は違えども、どれも大事な事です。
このほかにも検討するべき事項はあります。
必要寸法
最近は洗浄機能付き洋便器の使用がほとんどです。
ここでは、洋便器を設置する場合の必要寸法について考えます。
通常、便器に座ったり、立ったりする場合、頭が前方へ移動します。
最低寸法は人によって様々でしょうが、一般的には、1500mm程度の部屋長さが必要です。
扉の形状や開き方向によっても、最低寸法は変わります。
昔は、内開きドアが主流でしたが、今では、緊急時の対応や、トイレ内機能の多様化から、外開きドアにする事が多くなっています。
基本的には、モジュールに合わせて、大きさを決める事が多いです。
参考として、一般的な木造住宅のモジュールは1820mm(6尺)です。
石膏ボードや合板は、基本的に、このモジュールに合わせています。
ちなみに、伊賀では通常1970mm(6.5尺)です。
窓の効果
トイレは居室ではないので、基本的に、窓は必要ではありません。
しかし、自然光の心理的影響や換気の都合で、設ける方が良いと思います。
窓を設ける場合、結構、配置が難しいです。
一般的にトイレの必要寸法は1820mm長さですが、1スパンが2730mm~3640mmの場合が多く、デッドスペースができやすいです。
いくつものパターンを検討して、最適なものを探してください。
24時間換気について
トイレは臭いの拡散防止の観点から負圧にします。
システム間にの場合も、トイレには給気口は設けない事がほとんどです。
現時点では、シックハウス対策として、24時間換気が法律上必要です。
そこで、トイレに24時間換気扇を設ける事が多くなっています。
トイレ内を常に負圧にできます。
給気のためにドア下のアンダーカットなどが必要です。
給気の配慮が無いと、トイレ内の臭いが室内に漏れ出る事があります。
浴室にも24h換気扇を設ける場合、バランスを考慮しましょう。
介護のしやすさ
改修時点でも、将来的にも、介護的考慮が必要な場合、どのような事に気を付けなければならないでしょうか。
一般住宅では、公共的建物にある多目的トイレのようなトイレを設置する事は難しいです。
しかしながら、狭いトイレでは介助がしにくいです。
なので、トイレ横に、人が入れる程度のスペースを設けると良いです。
また、手すりの設置を考慮して、下地材料を耐水合板など、ビスが効く材料にすると良いでしょう。
風水・方位
トイレの設置が好まれない方位は、図の通りです。
気にしすぎる事もないと思います。
<参考リンク>
気にしすぎない風水間取り だって現代住宅だもの
まとめ
少し前までは、田舎では家の外にトイレを設けていました。
今では、水栓化や、臭い対策の向上などで、普通に家の中にトイレがあります。
でも、配置などに気を使うことに変わりはありません。
後悔しないよう、深く検討する事をお勧めします。
参考になるとうれしいです。
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