もくじ


はじめに

住宅リフォーム手順の確認

リフォーム設計の内容

工事開始前までに十分な検討

工事開始後の変更設計の可能性

まとめ

 

はじめに

設計と聞くと大掛かりな設計図を書いて・・と言うふうに思ってしまいます。実際、ある程度の規模の建築工事の場合、建築士免許を取得していないと、設計をする事が、法律上できません。

しかし、本当は、クロスの張り替えなどの工事でも設計が必要なのです。

設計とは「目的を具体化するための計画」です。

すなわち、どのような工事でも、誰かが設計をしているわけです。

本コラムでは、リフォーム工事における、必ず必要な工程「設計」について考えていきます。

 

住宅リフォーム手順の確認

住宅のリフォームはどのような手順で実施されるのでしょうか。

確認しましょう。

  1. リフォームなどの住環境の改善が必要な事柄が発生
  2. 現状の調査と計画の検討(施主側の視点でできる範囲内で)
  3. 資金計画(施主側の視点でできる範囲内で)
  4. 相談者(設計者・施工者)の選定
  5. 専門家に相談
  6. 設計・仕様決定(計画のすり合わせ、検討、決定)
  7. 工事施工(現場打合せ、現場確認)
  8. 検査、確認
  9. 取り扱い説明の実施
  10. 費用の支払い、引き渡し

事情によりいろいろな手順があるでしょうが、おおむねこのようになります。

 

リフォーム設計の内容

リフォームと言っても、クロスの貼り替えから、間取りを変える大規模な物まであります。

どのような工事にも設計は必要です。

設計とは「目的を具体化するための計画」です。

では、どのような内容について設計・計画するのか、施主サイド・専門家サイド双方から、確認検証をします。

 

・クロス張替えなどの模様替え工事

<施主サイド>

張替えの範囲とデザインの決定をします。

仕上がりのイメージをはっきりさせておくと、専門家からの意見も明確になります。

<専門家サイド>*一般的に施工者

専門家としては、主に技術的な計画をします。

・施工方法、手順の決定。

・下地状況の確認と必要であれば補修方法の検討。

 

基本的に、下地に問題が無い限り、決まった方法で施工されることが多く、デザインの決定が主な設計内容となります。

 

・床材の変更などの一部構造を変える工事

<施主サイド>

畳などから床の材質を変更する場合、どのような理由(希望やリフォームの狙い)で実施するのかをはっきりさせます。

床暖房などを設置する、ペットと暮らすため等はっきりすると、後で専門家との打ち合わせが良い内容となりやすいです。

<専門家サイド>*施工者・設計者

施主の意向を聞き理解した上で設計します。

・下地の状況や地盤の状況の確認の上、工事範囲近くの柱や土台などに不具合が無いか確認する。

その上で、必要であれば、修理設計を行う。

・断熱の選定や施工方法の検討を実施する。

特に取り合いや納まりの設計は現地確認の上実施する。

・床暖房を設置する場合は、電源容量の確認や回路分け計画を行う。

 

・間取りを変えるリフォーム(大規模リフォーム)

<施主サイド>

設計よりも、設計の条件となる仕様・要件を明確にします。

・必ず改善しなければならない要件の明確化。

・将来の生活スタイルとその時の優先条件の設定。

・希望する設備などを提示。

・間取り設計の確認と訂正。

<専門家サイド>*設計者・施工者(施工者が設計者の場合も多くある)

・現状の建物の劣化具合の調査、確認。

・修繕が必要であれば修繕設計。

・施主の意向を理解した上、間取りプランの検討。

その際、構造的な欠陥を起こさないように注意する。

・耐震計画、断熱計画の検討、詳細設計。

・設備計画及び配管・配線設計。

 

この他にも現地の状況、土地柄、施主の意向などで設計内容は変わります。

 

工事開始前までに十分な検討

設計の内容を記載してきましたが、いずれも重要な事で、工事開始前までに十分な検討を実施する必要があります。

検討を短縮した場合、どうなるでしょうか。

「思ったのと違う」となる事が多いです。

時間的、金銭的理由から、構造的な欠陥を放置する可能性もありますが、一番は、施主サイドの理解が十分でない状態での工事開始となる事が問題です。

十分検討する事によって、施主サイドと専門家サイドの向かう方向性が一致するのです。

 

工事開始後の変更設計の可能性

工事開始後にも設計変更される可能性も大いにあります。

工事上重要な事は変更できませんが、土台や柱の腐朽など、構造的欠陥を発見した場合や軽微な間仕切り位置の変更、床材の変更(同じ厚みで仕上がるものに限る)などです。

あまり手間のかからない変更の場合、費用の変更が無い場合が多いですが、基本的に工事開始後の設計変更は、割高な費用が掛かります。

たしかに、現場が出来上がって、見る事によって、色々思う事はあると思います。

工事終了後、追加費用を見て、愕然としない様に注意してください。

 

まとめ

改めて、設計とは「目的を具体化するための計画」です。

計画はすべての工事に必要で重要であることは、皆さんの承知の通りです。

昔から仕事は段取り八分と言います。

設計の良し悪しによって、工事の満足度が決まると言っても過言ではありません。

設計に注目してほしいと思います。

参考になるとうれしいです。

 

 

 

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