家の中心(図心)の算出方法 <風水間取り検討>
もくじ
風水間取りなどの検討には必要
家の中心に仮想版を置いて・・・ってよく聞きますが、家の中心の算出方法はご存じでしょうか?
長方形の住宅ならば簡単に算出できますが、少しでも凹凸があると、簡単ではないです。
例え風水間取りに詳しい人でも、家の中心を計算できなければ、何もできないのです。
家の中心は大黒柱の位置ではないので注意してください。
重要な事ですので、詳しく書いていきたいと思います。
家の中心の算出手順
掛け算と割り算、足し算によって計算します。
簡単な作図が必要となります。
1 家の計測及び作図
2 四角形に分割
3面積の計算
4 任意の基準点の設定
5分割した四角形の中心を求める
6任意点から各中心までの距離を求める
7一次モーメントの算出(面積×距離)
8中心距離の計算
9交点を確認
それぞれについて解説します。
家の計測および作図
木造住宅の家の大きさは、基本的には柱の中心間寸法で表します。
柱の大きさも様々な場合もあるでしょうが、大半の壁柱の通りを通り芯として計測します。
同じ大きさの柱の場合、柱の右端から、もう一つの柱の右端まで計測すると、柱芯間寸法が測定できます。
計測した結果を図面にします。
柱1本1本を図面にする事も良いですが、面倒なので、部屋ごと図面にします。
方眼紙を用いて書くのですが、この時、先ほど計測した柱間寸法を利用します。
木造住宅の場合、一般的には、最初にモジュールを決めます。
地方によっていろいろありますが、一般的には6尺(1820mm)=1間とする事が多いです。
この場合、モジュールは3尺(910mm)と言う事も出来ます。
今は、広めのメーターモジュール(1000mm)も多くなってきています。
参考として、伊賀では6.5尺(1970mm)=1間が一般的です。
方眼紙の1コマをモジュールに合わせると寸法的に間違いが少なくなります。
四角形への分割
建物の内部壁を無視して、外壁形状を四角形に分割します。
今回の例の場合、3個に分割します。
面積の計算
それぞれ分割した四角形の面積を計算します
図を例として計算します。
四角形① 8×5=40㎡
四角形② 7×2=14㎡
四角形③ 6×3=18㎡
合計 40+14+18=72㎡
任意の基準点の設定
任意の基準点を設けます。
計算をするために設ける点なので、キリの良い位置にしてください
分割した四角形の中心
分割した四角形の中心を求めます。
図の上で対角線の交点を求めます。
正方形や長方形の場合は、長さの半分が中心となります。
任意点から各中心までの距離
任意点から中心までの距離を計算します。
ここからは2方向で考えます。
仮に縦方向をY方向、横方向をX方向とします。
- X方向 1+2.5=5m Y方向 1+4=5m
同様に②、③も計算します。
一次モーメントの算出
難しい言葉ですが、内容は簡単です。
各四角形の任意点からの距離と面積を掛けます。
<X方向>
- S=5×40=140
- S=7×14=98
- S=5×18=171
<Y方向>
- S=5×40=200
- S=5×14=77
- S=6×18=108
中心距離の計算
まず一次モーメントをすべて足します。
その後、総面積で割ります。
<X方向>
SX=140+98+171=409
LX=409÷72=5.7m
<Y方向>
SY=200+77+108=385
LY=385÷72=5.4m
交点を確認
基準点からの距離が計算できたので、図面に落とし込みます。
まとめ
建物の中心を算出できないと、方位や風水の検討ができない事は述べました。
ただし、面倒な事は本コラムでもお分かりだと思います。
CADでも算出できますが、少し慣れが必要です。
PCの方は、JWCADはフリーのため、試してみるのも良いでしょう。
現実的には、専門家に作図と計算をしてもらうことが楽そうです。
参考になればうれしいです。