収納・整理・片付けの基本と住宅収納の工夫 クローゼット形状等の検討
もくじ
1.はじめに
2.収納・整理・片付けの定義
3.整理の基本
4.収納の基本
5.住宅収納の工夫
(1)玄関横一時収納(クローク)
(2)壁厚収納
(3)ウォークスルー収納
6.まとめ
1.はじめに
整理収納について、雑誌やテレビなどで頻繁に取り上げられ、注目されています。
片付けの手順は、「物を出す→不要物の分別→減らす→グループごとに分ける→収納する→物の指定場所を作る」です。
生活習慣としで、身に付けている人も多いと思いますが、本コラムでは住宅の収納スペースの工夫や、整理収納の基本を確認しながら、収納方法について検討します。
2.収納・整理・片付けの定義
言葉の意味を調べると、次の通りです。
「収納」
・中に入れてしまっておくこと
「整理」
・乱れた状態にあるものを整えること
・無駄なもの、不要なものを処分すること
「片付ける」
・物を、適当な場所にきちんと入れ納める(収納)
・乱雑に置かれている物をまとめ整える(整理)
整理収納は、片付ける事であり、不要なものを処分して、必要な物を所定場所に収める事です。
3.整理の基本
整理の基本、減らす、物を増やさない、分けるに付いてです。
<減らす>
基本的に、自分で自分の物を減らします。
たとえ子供であっても、勝手に物を減らす事は、トラブルの元です。
・必要適正量を意識して、その量を超えないように物を減らします。
・処分の基準を明確にします。1年以内使用の有無で、判断すると処分しやすいです。
・判断に迷う物は、保留箱へ移動します。保留箱には、必ず見直し期限を定め、見直しを実施します。
・日用品などのかたづけしやすい物から実施し、徐々に減らす習慣を身に付けます。
・思い出の品は、写真撮影し、写真で保存する方法があります。
<物を増やさない>
・類似用途の物は、一つ増えたら一つ減らす事が、大切です。
・流行の品など、一時的な満足感を満たすための物などは、購入前に物のライフサイクルを考えます。
<分ける>
・同じ種類や、使用目的別に分けて、まとめます。分類は、生活様式に合わせて実施します。
・使用頻度別に分けます。毎日使用する物と年に数回しか使わない物は、同じ種類でも分けて収納します。使用頻度の基準は、生活様式に合わせて決めてください。
4.収納の基本
・使用頻度の高い物から、取りやすい場所に収納します。
・収納スペースに余裕を持たせ、仕切りなどを有効活用します。
・ラべリングなどにより、中身が明確に判るようにします。
「出す→使う→戻す」のサイクルに注意して収納します。
・収納場所や方法が適切であれば、指定場所とします。
5.住宅収納の工夫
昔の住宅は、押入れがメインの収納場所であり、寸法も奥行きが80cm程度、ありました。
最近では収納する物によって、奥行きを変える事が常識になってきています。
具体的には、広いスペースにシステム収納を組む等の方法です。
棚の奥行は、浅くて機能を満たす寸法が使い勝手が良く、使用者のライフスタイルに合わせて、又、後の生活様式の変更に対応できるように設計する事が重要です。
(1)玄関横一時収納(クローク)
仕事や学校で使う物で、家庭内では使用しない物は、たくさんあると思います。
物の所定場所を決める事が、収納の基本ですが、そのような物を収納する場所を玄関近くに設ける方法があります。
一時的に荷物を預ける場所です。
棚の奥行は浅くて良く、フックなどでひっかけ収納も使用します。
基本的には、一人一人に専用スペースを設け、次の日に持って行く物を置いておく等、忘れ物を無くす効果もあります。
玄関からリビングの動線上に設けます。
部屋の中の物が減り、リビングが片づけやすくなります。
(2)壁厚収納
最も多い事例がトイレの収納です。
トイレットペーパーなどの収納に使います。
一般的には、断熱材の無い壁に設けます。
間仕切り壁です。
壁の厚みは10cm~15cm程度であり、小物をたくさん収納できます。
リビングに棒ける場合は費用の観点から扉を設けないことが多いですが、掃除が大変という、デメリットがあります。
壁厚収納は、収納としては優秀で、部屋を片付いた状態にしやすくなります。
カーテンや引き戸などで、ほこり防止を実施することをお勧めします。
(3)ウォークスルー収納
ウォークインクローゼットの改良型収納です。
出入口を2か所設け、両サイドに60cm奥行程度の収納スペースを設ける方法です。
取り出しにくい場所を無くす事が目的です。
この方式の場合、通路で服の試着ができるため、服の選択に迷った時、ここで選びます。
服を選んだ後は、その場ですぐ収納します。
無駄な移動の必要が無いため、大変便利です。
6.まとめ
整理については、かたづけのレベルは、徐々にアップすると考えます。
結果を慌てて求めず、徐々に、かたづけの効果を実感することが大切です。
自分のかたづけルール、家族のかたづけルールを設けると、かたづいた状態が維持されます。
収納に付いて、定位置を決めて、出したら仕舞う事が重要です
そのためにも、出し入れし易い事が必要です。
新築、リフォームの時の参考にしてください。
<関連コラム>
・収納・整理・片付けの基本と住宅収納の工夫 クローゼット形状等の検討
・収納の検討 隙間収納の活用とウォークスルー収納(建築士として)
人気コラム