ピアノ・楽器・オーディオとエアコン屋外機の騒音防止対策(一戸建て)
もくじ
はじめに
騒音の問題はその性格上数値では解決できない場合も多くあります。
それは騒音の定義からも良くわかります。
騒音とは「騒がしくて不快と感じる音」です。
各個人の感覚が騒音であるかどうかの判断基準であり、対象に対する感情で騒音かどうかがかわります。
例えば、有名な騒音おばさんも本人にとっては騒音ではないのです。
しかしながら、一般的な常識の範囲での対策が必要です。
10年間の騒音防止設計の経験から実施できる対策を考えていきます。
騒音と基本的な防止方法
騒音防止の方法として、基本的には遮音で対処をします。
遮音とは、文字通り、音を遮る事です。
隙間から音が漏れる事を遮る事も遮音の一部です。
吸音は反射音による騒音の増幅防止です。
吸音材はグラスウールが一般的に有名です。
その他にも防振、距離減衰なども、騒音防止対策上有効です。
騒音防止の対処の順番
騒音防止対策の実施の順番は下記のとおりです。
- 騒音源対策
- 目隠し
- 防振対策
- 騒音源の配置検討
- 遮音対策、隙間対策
- 吸音
騒音源対策
音源対策は、一番最初に取り入れる方法です。
例えば、可能であるならば、電子ピアノとし、ヘッドホンを使用するか、ボリュームを落とすなどです。
音が小さくなれば、騒音問題がなくなる可能性が高いです。
エアコンの屋外機なども、目隠しをして、心理的要因リスクを小さくすると良いと思います。
床の強度と防振対策
ピアノを設置する床の剛性は、十分でしょうか。
床の剛性が低い場合、余計な振動が発生する可能性があります。
しっかりした床の上に設置をする前提で、防振対策をしましょう。
ピアノの場合、防音マットというう名前の防振マットや、安価な防振ゴムまで、ネット通販で売っています。
スピーカーなどの場合も同じで、ネット通販やホームセンターなどで、防振ゴムや防振スポンジなどが調達できるでしょう。
防振をしないと、床が効率の悪いスピーカー状態となり、騒音防止対策ができなくなるので注意してください。
距離減衰と音源の位置
騒音は遠くに行けば小さくなる特性があります。
音源が小さければ、効果は大きく、音源が大きければ、効果は小さくなります。
例えば、騒音が気になる位置が北側にある場合、音源をなるべく南に配置します。
エアコンの屋外機などの場合は、設置前に位置を検討しましょう。
遮音対策の方法
遮音対策は隙間対策から実施します。
1.隙間対策
現状の状態で音が漏れていないかを確認します。
隙間があると音が漏れるので、コーキングなどで塞ぎます。
扉などは、給気用の隙間があるので、防音ドアなどに変更します。
これだけでも、効果がある場合があります。
2.壁の遮音性を上げる
室内の場合、壁や窓の遮音性をあげます。
壁は基本的には、質量を増やします。
具体的には、石膏ボードの2重張りや、鉛シートを挟み込み等です。
窓に対しては、内窓の設置が有効です。
窓材料はペアガラスにします。
壁と同じで質量を増やす事が目的です。
3.遮音壁の設置
屋外に設置されている機器の場合、目隠しと兼用で、遮音壁そ設けることも有効です。ただし、この場合、空気の流れが阻害されない配慮や、上方の騒音が大きくなる可能性を考慮する必要があります。
吸音処理の方法
大規模な機械室などの場合、室内の反射音の影響で、騒音が大きくなります。
対策として、グラスウール吸音材を内装仕上げとします。
この方法は、一般家庭向きではありません。
最近では、一般家庭向きのグラスウールやそのほかの吸音材も販売されています。
天井材のロックウール吸音材は一般的な仕様となっています。
また、厚手のカーテンにも吸音効果はあります。
一般住宅での吸音処理は、反射音の防止や、音響環境の調整の意味合いが高いです。
ウレタンマットなどでも、吸音効果があるので、色々試して最適な配置を見つけてください。
まとめ
私の住んでいる田舎では、隣の家までの距離が離れているため、ほとんど、騒音問題があったと聞きません。
基本的には、家が密集している地域での問題となりそうです。
騒音かどうかは、各個人の感覚によって変わります。
近所付き合いが良好な場合、騒音問題にならない事も多いでしょう。
その良好な関係をを維持するためにも、問題が起きる前に騒音対策をする事が良策です。
参考になればうれしいです。
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