間取りプランの失敗をしない考え方 <基本・古民家>
マイホームの新築やリフォームの際、間取りは、どのようにすれば良いと思いますか。
- 大工や工務店にすべてお任せする
- 建築士に設計を依頼する
- 自分で考えて、指示を出す
どれも、それだけでは不安です。
なぜならば、人それぞれ、理想の間取りが違うからです。
どのようにすればよいか、考えていきたいと思います。
<基本>
間取り設計で大事な事は、当然ながら住む人が気持ち良く、便利で、幸せに暮らせるように考えて、設計する事です。
動線や収納、構造などを考えて設計するのも、その目的のためです。
しかし、個人個人、生活スタイルが違いうので、理想も違います。
間取り設計を理想に近づける事の出来る唯一の人、それは、施主様だけなのです。
実際は、夫婦の力関係によって、いろいろありますが。
では、間取り設計はどのようにしますか?
ポイントは想像力です。
例えば、子供に「将来何になって社会貢献するの?」って、聞いたら、しばらくたって答えが出てくるように、すぐで無くても、リフォーム後の生活を想像すると理想が見えてきます。
実際、私は、このような手順で間取り設計をします。
例えば、20年後に建て替えか、再リフォームをする前提の場合、5後、10年後、20年後の生活がどのようになっているか、考えを聞きます。
この段階での話です。
それに基づいて、プランをいくつか作成します。
そして、いろいろなお話をして、ライフスタイルを考えてもらいます。
お話しした結果を基に、プランの修正をすると同時に、施主様にもプランを考えて頂きます。
施主様がプランを考えているとき、前述の数年後の生活を考えて頂きます。
当然、構造など、重要な事は、修正させて頂きます。
施主様のプランもトレースし、何回か繰り返します。
図面の総枚数が20枚を超えることも、ざらです。
そして、最終的に生活をしている姿を想像してもらいます。
うまくいったら、間取り設計が完成です。
思い込みを無くすため、数日たってからの確認も忘れません。
<古民家リノベーションの間取り>
古民家で柱や梁がしっかりしている場合、まるまるリフォームすることがよくあります。
その場合、重要なのが、大事な部位を傷つけない事です。
柱や梁は、特に重要です。
張り替え等ができる、しぶき板などは、後で対応できますが、梁などは後補修がしにくいからです。
今までには、こんな欠陥工事も目撃しました。
・間取り云々の理由か、大事な柱を途中で、切ってあった。
(構造的に大変危険)
・かやぶき屋根の上半分を撤去して、トタン張りでごまかしてあった。
(雨漏りがひどいが、修復不可能)
知識不足のリフォーム屋であったり、逃げる前提の工事屋だったり、いろいろです。
間取りは、動かせない柱を中心に検討をしていきます。
アドバイスを受ける場合、しっかりとした知識を思いの方や建築士などの免許・資格を持っている人に相談する事が良いでしょう。
特に営業さんは営業のプロであって、建築のプロでないこともあるので注意です。
間取りと同時に耐震補強をする場合、壁を増やすように間取りも考えます
玉石基礎の場合が多いので、耐震補強時には、べた基礎を施工し、土台を回して、柱を固定します。
費用の関係で、完全な耐震補強ではなくて、ある程度の補強の場合も多いです。
方位などの風水的要素を気にする方もみえます。
風水にも理由がある事、無い事、様々だと感じます。
理屈抜きに不安が解消されるのならば、するべきですが、ある程度は考慮して、今までの経験から判断することが正しいと私は思います。
<最後に>
間取りで失敗したと感じる方は、他人に任せっきりにしていませんでしたか?
施主様の思う良い間取りと、専門家が思う良い間取りは違うという事。
大きな会社の場合、専門家だと思っていた、間取りプランナーが、新入社員の素人である可能性もあります。
間取りは、一度決めたら着工すると後戻りはできません。
この設計にこそ時間をかける、想像力を働かせる事が重要です。
大きなお金をかけてする事、大事な事は自分で判断をベースにすると、たとえ失敗しても後悔は少ないと思います。
私たち専門家は、自分の経験、知識を持って、全力でお客様をサポートします。
<関連コラム>
(間取り・古民家再生)
(風水)
・間取り相談事例 「鬼門の台所はイヤなんです」 伊賀の農家住宅
・風水と間取りの基本 鬼門のキッチンや各部屋の方位の事
(整理収納)
・収納・整理・片付けの基本と住宅収納の工夫 クローゼット形状等の検討
・収納の検討 隙間収納の活用とウォークスルー収納(建築士として)
(その他)
・間取り変更の構造と劣化及び予算、高齢者対応と浴室仕様について
・田舎への移住サポートと空き家の利用 失敗や後悔をしないために