建築士の私がもう一度 マイホームを建てるなら
目次
はじめに
設計条件
失敗と感じる事
必要な部屋でしょうか?
外壁の仕様
構造・断熱の仕様
設備関係
その他
まとめ
はじめに
「家は3回建てないと理想の家にならない」
と言われるが、私もその内の一人です。
仕事では、たくさんの設計をしてきましたが、施主様の理想に近づける努力をするので、自分のマイホームとは、別物です。
今の家は18年前に建築しました。
事務所を自宅に移転をする際に、リフォームしましたが、基本的には家の間取りは変わっていません。
「もし、18年前と同じ条件で、家を建てるなら」
このようなテーマで、考えていきたいと思います。
設計条件
・家族構成
夫婦+子供5人(0歳から5歳)
・できれば近所付き合いの少ない地域
・予算は常識の範囲内
(実際には不良在庫の再生建物となった)
・勤務先までは自動車で移動
許容時間15分程度
失敗と感じる事
建築士事務所を自宅に移転してから、一度、外壁のリフォームをしました。
今は、もう、発売してませんが、TOTO光触媒で塗装しました。
数年間は、綺麗な状態を保っていましたが、現在は、汚れが目立つようになりました。
原因は、元々のサイディングのデザインが複雑な事です。
凹凸の多いデザインなので、溝に砂埃が溜まり、そこに苔が入るような感じになります。
光触媒でも対処できません。
足場を組んで高圧洗浄すれば、綺麗になりますが、面倒なのでなかなか出来ていないです。
その他は、あまり問題はないのですが、エコキュートは10年で見事に故障しました。
古い機種だったので、追い炊きができず困ったことが多かったです。
太陽光発電を乗せてあったので、オール電化にしましたが、追い炊きの出来る給湯器にすれば良かったです。
必要な部屋でしょうか?
今考えると、子供部屋について、少し考えた方がいいような気がします。
基本、将来も家にいる子供もいるでしょうが、大学など入って、もう家に帰って来ない子もいると思います。
私は、個室で、各々の子供部屋を作ろうとして、失敗しました。
今では、一人暮らしなのに、悲惨な家の大きさになっています。
子供部屋は大きさよりも、最低限のプライバシーの確保を優先し、何人かで一部屋をパーテーションなどで区切り、スペースを確保するのが良いと思います。
後々、融通が利くと思います。
また、客間なんですが、家を建てた時は必要と思いましたが、実際いらないです。
大切なお客さんが来る場合は、リビングを片付けて、そこに通すのがいいと思います。
ちょっとしたお客さんならば、玄関を広く取っておいて、そこに机置いて対応するという方法もあります。
家をコンパクトにすると、生活しやすいと思います。
外壁の仕様
外壁は、本当に失敗したと思っています。
塗り替えはしなければならないし、すぐ砂は溜まるし、残念です。
今ならば、角波のガルバリウム鋼板を縦張りにします。
完全にメンテナンス性重視ですが、デザインもなんとかできるでしょう。
たとえ外壁を塗り替えするにしても、塗料を特殊なものを使わなくて良いので、安く上がるし、極端なことを言えば、自分で塗装することも可能です。
金属製外壁材を自分で塗装してる人もいます。
ただし、赤錆が発生した時には、早く対処しないと、穴が開いたりする可能性もあります。
最近のメッキは優秀なので、滅多にそのような状態にはならないでしょうが。
構造・断熱の仕様
今は、省エネに考慮した家が主流なので、基本的に高断熱の住宅が多くなっています。
18年前は、そのような仕様の家は珍しかったですが、高気密高断熱住宅にしました。
そこそこの効果はありましたが、サッシが弱点となり、思った程の満足は得られなかったです。
ちなみに、断熱サッシを使用しましたが、気密性はダメでした。
その後、私の設計はどうなったかと言うと、高断熱なのですが、機密性を特に注意することは、なくなりました。
今のところ、普通に施工すれば、機密性能もそこそこあるので、問題なく、お客様に満足頂いています。
空調は、全館空調というものは、電気の無駄遣いだと思っています。
私は、賛成しません。
断熱性が高いからと全館空調をしなくても、基本的に、高断熱仕様ならば、各部屋の温度差が、激しくないので、問題になりにくいと思います。
構造的には、耐震等級の3は維持したいと思います
住宅性能表示で、ちゃんとチェックする事をお勧めします。
耐震等級3相当という表現がありますが、地震保険も安くならないし、あまり意味が無いと思います。
本当かどうか、チェックできる人は、別の話ですが。
設計時に、壁の位置などが、かなり制限されますが、確実に強い家になります。
実際、自分の家も耐震等級3ですが、地震が起こった時にあまり激しく揺れた記憶がないです。
設備関係
今からは、電気自動車が主流になり、家で充電という事も多くなりそうです。
太陽光発電の設置費も18年前の1/3程度になり、かなり設置しやすくなっています。
売電には、期待できないですが、電気自動車への充電や、蓄電使用などで、メリットが大きいと思います。
給湯器は田舎なので、灯油の相性が良いです。
冬は、エアコンより石油ファンヒーターなので、燃料タンクを兼用できます。
台所は IH が便利です。
手入れのしやすさ、調理のしやすさ、文句なしです。
燃料関係は、地域によって、値段の差が激しいので、どのようにするかは、ランニングコストを考慮して決めてください。
後は、トイレのウォシュレットと、浴室浴槽の断熱は必須です。
その他
住む場所は今の場所とは違うところが良いです
土地代の関係もあるでしょうが、上野の旧市役所近くで探せば良かったです
それこそ、今の考えで行くならば、古民家住宅を綺麗に改修して使うのも良かったかもと思います。
車がなくても、色々できる場所の方が便利です。
今の場所は、車がないとかなり面倒です。
まあ、自転車で移動できる範囲内に、色々あるので、車がなくてもなんとかなりますけど。
まとめ
色々考えましたが、結局、必要最低限の機能を持った、コンパクトな家を建てるということになります。
外壁も、内装も、屋根も、基本的にはメンテナンスのしやすさが最優先です
構造は強く、断熱性も高く、気密性はそこそこ。
サッシは Y〇〇社製、給湯器は灯油。
そういう結論になります。
私の失敗事例を お客さんにも伝えていきたいと思います。
良いアドバイスができるよう努力します。
参考になれば嬉しいです