もくじ

はじめに
間取り検討の行き詰まりと中庭
中庭のある間取り
中庭のメリット
中庭のデメリット
まとめ

はじめに

中庭のある家って少ないですね。
一般的な規模の住宅では、なかなか採用されないです。
しかし、街並み見学などで、歴史的建築物を見ると、中庭がある家はかなり多いです。
家の規模によって、メリットが大きくなったり、デメリットが大きく成ったりします。
大きな家には採用されることの多い中庭について考えていきます。

間取り検討の行き詰まりと中庭

最近は、間取りプラン集や建売住宅など決められた間取りの家を選択される方も多いと思います。
ただ、ご自身で間取りを検討された方は、部屋の配置や窓の位置で悩んだことがあると思います。
必ず窓に接していなければならない部屋、日当たりを良くしたい部屋、風通りをよくしたい。
特に正方形に近い形状の家や、トイレなどの小さい部屋の配置には、困ることが多いです。
そのような時に、中庭があれば・・・って思うのです。
中庭があれば、外部に接する面積が増えるので、最高や換気などを確保することに有利になります。
そうなんです。
間取りに困ると、中庭の設置を考えてしまうのです。

中庭のある間取り

中庭のある間取りは、基本的に細長い建物の間取りを考えるのと同じです。

多少、設置方位による違いはありますが、機能的にはほぼ同じです。
基本的には、平屋も2階建ても関係ないですが、2階建ての場合、総2階となります。
(総2階とは、1階と2階の形状が同じ事を言います。
デザイン的にオシャレ感はないですが、構造的には強い建物になります。)

中庭のメリット

中庭のメリットを考えます。

・換気、採光を採りやすいため、間取りの自由度が高くなる。

通常、間取りの検討時には、採光などの理由から、デッドスペースが生まれやすく、物入などを効果的に配置するなど工夫が必要になります。
中庭があると、上記のような理由が解決され、デッドスペースが生まれにくくなります。
間取り検討が、かなり楽になります。

・プライバシーが確保されたスペースができる

外部から隔離されたスペースができます。
周りの目を気にせず、庭、家庭菜園、バーベキューなど、いろいろな用途で使用できます。

中庭のデメリット

大きなメリットはありますが、デメリットも多くあります。

・大きな土地が必要であり、建築のコストが多く必要となる。

建物の建築面積は、通常とあまり変わりませんが、中庭の面積確保が必要なため、大きな土地が必要となります。
また、建物としても、外壁の面積や窓の数が多くなる傾向にあります。
雨水の排水設備も設置しなければなりません。
結果、建築コストが多く必要となります。

・メンテナンスが大変

近所の公共建物で中庭のある施設があります。
完全なロ字の中庭。
車の侵入ができない中庭でした。
コンクリートの上に人工芝の仕様です。
多分、当初は有効活用していたのでしょうが、メンテナンスを行わなかった結果、砂とコケで、ドロドロの状態になっていました。
復旧作業として、人力での砂の除去、高圧洗浄機での洗浄をしました。
しかし、完全に元には戻らず、高額な費用を投じて、人工芝を張り替えるかの検討の末、放置することになりました。
もったいないです。
結局メンテナンスがしやすいように、車の進入路の確保や、こまめに手入れできるような工夫が必要となります。

・植物を植える場合、種類などに注意が必要

ツタや根が大きく張る樹木などは後々問題になる事があるので、注意が必要です。
数年後にどうなるか、想像しましょう。

まとめ

中庭の魅力は大きなものがあります。
一方で、中庭を維持するための手間やコストも尋常ではなさそうです。
一般住宅では、自分で世話ができる程度の箱庭をを設ける事が現実的です。
間取り検討も、工夫を重ね、中庭に頼らない良い設計をする事がよさそうです。
間取り検討の参考にしてください。