もくじ

・はじめに

・基本的な考え方

・新築と古民家再生リフォームとの比較

 間取りの自由度

 断熱性 気密性

 工事費用の比較

・古民家再生リフォームの詳細検討

 考え方と失敗事例

 耐震

 風水

・まとめ

 

・はじめに

間取りを変更するような大規模なリフォームをする時、間取り設計や仕様の検討などは、どのようにすれば良いと思いますか。

・大工や工務店にすべてお任せ?

・建築士に設計を依頼する?

・自分で考えて、指示を出す?

どれも、それだけでは不安です。

なぜならば、人それぞれ、理想の間取り・仕上がりが違うからです。

どのようにすればよいか、検討していきます。

 

 

・基本的な考え方

間取り設計で大事な事は、当然ながら住む人が気持ち良く、便利で、幸せに暮らせるように考えて、設計する事です。

建築士は、それを目標に、動線や収納、構造などを考えて設計します。

しかし、人それぞれ、生活スタイルが違います。

そう、間取り設計を理想に近づける事の出来る唯一の人、それは、施主様だけなのです。

実際は、夫婦の力関係によって、いろいろありますが。

では、間取り設計はどのようにしますか?

ポイントは想像力です。

例えば、子供に「将来何になって社会貢献するの?」って、聞いたら、しばらくたって答えが出てくるように、すぐで無くても、リフォーム後の生活を想像すると理想が見えてきます。

私は、このような手順で間取り設計をします。

例えば、30年後に建て替えか、再リフォームをする前提の場合、10年後、20年後、30年後の生活がどのようになっているか、考えを聞きます。

この段階での話です。

それに基づいて、プランを何個か書きます。

そして、いろいろなお話をして、ライフスタイルを考えてもらいます。

お話しした結果を基に、プランの修正をすると同時に、施主様にもプランを考えて頂き

ます。

施主様がプランを考えているとき、前述の10年後、20年後、30年後の生活を考えています。

当然、構造など、重要な事は、修正させて頂きます。

施主様のプランもトレースし、何回か繰り返します。

図面の総枚数が20枚を超えることも、ざらです。

そして、最終的に生活をしている姿を想像してもらいます。

うまくいったら、間取り設計が完成です。

数日たってからの確認も忘れません。

 

 

・新築と古民家再生リフォームとの比較

ここで、新築の場合と古民家再生リフォームとの違いを比較検討します。

間取りの自由度

新築木造住宅の場合、壁量により、構造上の強度を確保します。

構造壁をバランスよく配置すればよいので、梁などの横架材の最大スパンの内であれば、比較的、自由に間取りを設計できます。

古民家再生 リフォームでは、本柱、鴨居など、撤去できない要素があるので要注意です。

耐震上、壁の増設などが必要で、強度上重要な通りの認識が必要です。

新築に比べれば、多少、間取り設計に制限がかかります。

 

断熱性 気密性

新築木造住宅では、省エネの観点から、高気密・高断熱仕様にする事が多くなっています。

エアコンの設置が前提なので、24H空調の家もあります。

しかし、古民家と言われる住宅は、地方にもよるでしょうが、夏を涼しく過ごせる仕様になっています。

木製建具に隙間風の家も多いと思います。

土壁を温存して改修をする事も多いです。

断熱性は、断熱材の設置である程度は確保できますが、気密性は完全に確保できないでしょう。

気密性が低いと断熱性も著しく下がりますので、気密性のある程度の改善は必要です。

サッシ設置や内窓などで開口部の対策と合わせて、生活に支障ない程度の断熱は可能でしょう。


 

工事費用の比較

更地に新築の場合、基礎工事(杭工事)から外構工事までの費用がかかります。

古民家と同じような仕様の建物を建てる場合、かなりな費用がかかります。

古民家再生の場合は、解体工事が余分にかかります。

その他にも、劣化部分の補修などの費用が掛かりますが、大規模な基礎工事や軸組工事が不要になります。

ほぼ、全面を改修する場合でも、新築の半額~2/3程度と考えます。

具体的には、概略の見積もりなどで確認が必要です。



 

・古民家再生リフォームの詳細検討

考え方と失敗事例

田舎の母屋の場合、65坪ぐらいの家を建て替えると5000万円位かかってしまいます。

なので、柱や梁がしっかりしている場合、まるまるリフォームすることがよくあります。

その場合、重要なのが、大事な部位を傷つけない事です。

柱や梁は、特に重要です。

張り替え等ができる、しぶき板などは、後で対応できますが、梁などは後補修がしにくいからです。

 今までには、こんな欠陥工事も目撃しました。

・間取り云々の理由か、大事な柱を途中で、切ってあった。

 

(構造的に大変危険)

・かやぶき屋根の上半分を撤去して、トタン張りでごまかしてあった。

(雨漏りがひどいが、修復不可能)

知識不足のリフォーム屋であったり、逃げる前提の工事屋だったり、いろいろです。

間取りは、動かせない柱を中心に検討をしていきます。

アドバイスを受ける場合、しっかりとした知識や建築士などの免許・資格を持っている人に相談する事が良いでしょう。

特に営業さんは営業のプロであって、建築のプロでないこともあるので注意です。

 

耐震

間取りと同時に耐震補強をする場合、壁を増やすように間取りも考えます

例えば、次のようにです。

玉石基礎の場合が多いので、耐震補強時には、べた基礎を施工し、土台を回して、柱を固定します。

費用の関係で、完全な耐震補強ではなくて、ある程度の補強の場合も多いです。

その場合、免振ダンパーの使用も有効だと考えます。

古民家と免振ダンパーは、相性が、良さそうです。

 

風水

気にする人と、気にしない人と、はっきり分かれます。

気にする人の場合、私なりに検討して、後日、専門家に見てもらうように施主様にお願いします。

風水にも理由がある事、無い事、様々だと感じます。

理屈抜きに不安が解消されるのならば、するべきですが、ある程度は考慮して、今までの経験から判断することが正しいと私は思います。

 

 

・まとめ

間取りで失敗したと感じる方は、他人に任せっきりにしていませんでしたか?

施主様の思う良い間取りと、専門家が思う良い間取りは違うという事。

大きな会社の場合、専門家だと思っていた、間取りプランナーが、新入社員の素人である可能性もあります。

間取りは、一度決めたら着工すると後戻りはできません。

この設計にこそ時間をかける、想像力を働かせる事が重要です。

大きなお金をかけてする事、大事な事は自分で判断をベースにすると、たとえ失敗しても後悔は少ないと思います。

私たち専門家は、自分の経験、知識を持って、全力でお客様をサポートします。

 

 

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