テレワーク在宅勤務時代、田舎暮らし移住住宅の事例紹介と注意点
はじめに
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、コロナ対策として、テレワークを実施する企業が増えてきています。
都心の家を離れ、郊外の広い家に住みかえる事を検討中の方も、多いと思います。
当然、テレワークができない業種の方も大勢いますが、定年後などに田舎暮らしを希望する方も含めて、最近伊賀市に移住してきた方の事例を紹介します。
また、田舎暮らしを始めるに当たり、どのような家が良いのか、考えていきます。
移住場所の検討
実例の方をAさんと呼ぶことにします。
Aさんは大阪府から伊賀市に定年後、移住してきました。
大阪では庭が狭く、好きな花の生育がしにくいため、広い庭の家を探していたらしいです。
伊賀市に決めた理由は、
・移住コンシェルジュの常駐や空き家バンク制度、リフォーム補助金などの制度が充実していた
・そもそも、家、土地の値段が安かった
です。
伊賀市は奈良県、滋賀県、京都府に隣接しています。
大阪の天王寺まではJRで約1時間半、京都駅まで約1時間半です。
そんな点も良かったのでしょう。
ちなみに、ゴルフ場は、ものすごく、たくさんあります。
ゴルフ好きなら たまらない所だと思います。
(リンク:伊賀市移住交流サイト)
さて、皆さんはいかがでしょうか。
山が良い。海が良い。いろいろあるでしょう。
子供がいる家庭では、子育てが優先となるでしょう。
子供が大きかったり、夫婦世帯の場合は、趣味や仕事以外の社会貢献などを優先となるでしょう。
都会までの必要距離も人それぞれ。
移住は、大きなお金がかかる事です。
慎重に、補助金なども考慮して、検討する必要があります。
住宅にかかる費用
<事例の場合>
事例の場合です。(Aさん了解済)
平屋の日本建築住宅です。
昭和57年築で、新耐震基準の住宅です。
建築確認申請書はありませんでしたが、台帳記載事項証明書を確認したので、建築確認を提出してる住宅でした。
土地は約100坪(330㎡)、建物約27坪(89㎡)の大きさです。
価格は600万円でした。
状態は、かなり良かったです。
前の持ち主の手入れが、素晴らしかったです。
既存住宅状況調査を実施しましたが、Aさんと共に、前オーナーが立会してくれました。
さらに、引渡し前に、前オーナー自身で外壁の塗装をしてくれました。
既存状況調査に付いては、伊賀市から補助金がありました。
良好な状態なのですが、それでも、経年劣化の改善が必要でした。
屋根・外壁・木構造・基礎は全く問題が無かったので、内装と設備の改修です。
キッチンリフォーム、バスリフォーム、内装リフォーム、断熱内窓の設置を実施しました。
その他にエアコンの設置、ウォシュレットの取り付けなども行いました。
工事費は500万円程度でした。
改修工事も伊賀市の補助金がありました。
購入とリフォーム、トータルで1100万円かかりました。
大阪の家は、売って老後資金にしたみたいです。
いくらで売れたかは、聞きませんでした。
<一般的に>
古い家は、安価な事が多いですが、注意事項が多くあります。
・売主が価格を付けるので、相場と大きく違う事がある。
空き家バンクだからと言って、安い訳ではなく、相場の確認は必ず必要です。
・確認申請や完了検査を受けていない建物が多い。
伝統構法建築物が多く、現在の主流構法と違う可能性が高いです。
・昭和56年7月以前の建物は、確認申請を実施していても、耐震性が脆弱。
必用であれば、耐震診断、耐震補強を実施します。
・大きな家になればなるほど、リフォーム費用が多く必要。
特に、屋根、壁、構造材に激しい劣化がある場合、ちょっとした家が新築できる位の費用が必要になりそうです。
・大きな家を利用する必要がある場合は、構造、屋根、壁などの劣化状況に注意。
費用はかかりますが、専門家による調査の制度もあります。
各市町村の移住担当者が教えてくれると思います。
まとめ
田舎は農家が多く、田の水の関係から、横のつながりが強く、他所から来た人を受け入れない傾向があります。
今は、稲作も、作り手や農業法人に任せるようになって、だいぶマイルドになってきていると思います。
ただ、いまだに寄合が月に1回あるような地域も多く、移住する前に十分調べる必要があります。
移住コンショルジュに聞くなどして、都会では考えられない風習に注意してください。
田舎暮らしは自然豊かで、都会暮らしではできない事がたくさんあります。
土地が安くて、建物も大きく庭や畑もあります。
趣味の場所が近くにある場合、本当に楽しめそうです。
静かな自然豊かな環境の中で、仕事も捗りそうです。
ライフスタイルに合わせた楽しい生活ができるように、建築士として応援します。